街中で見つけた知財戦略(2)~知財ミックス~

知財全般

内容

1.はじめに:
2.知財ミックスとは:
2.1.特許6446584:
2.2.商標6090174:
2.3.登録意匠1704562:
3.おわりに:

 

1.はじめに:

前回ご紹介した、折りたたみ警備員に付されていた特許番号からたどると、同社は、特許権だけでなく、商標権、そして意匠権も取得していました。

今回は、「知財ミックス」についてご紹介したいと思います。

 

2.知財ミックスとは:

一般的には、知的財産を複合的かつ有機的に活用すること、をいいます[i]

例えば、上述のテイケイ株式会社の折りたたみ警備員は、以下に示すように特許・商標・意匠の3種類について権利を取得しています。

2.1.特許6446584[ii]

発明の概要:

この発明は、建設現場の看板、フェンス、板囲いなどの対象物に取り付ける、警備用案内装置の発明です。

公報に掲載された図面の符号を用いて概要を説明すると、以下になります。

この警備用案内装置(A)は、
・通行人などの接近を検知する、人感センサ(10)、
・人感センサの検知反応によって作動する、カメラ(20)、
・人感センサの検知反応によって作動する、音声発生装置(30)、
を備えており、案内装置の背面を、

・カメラのレンズ中心線と直交する直交面(A12)、
・直交面(A12)と一定の角度で交わる傾斜面(A11)で
形成してあることが特徴です。

通行人などの接近を検知してカメラが作動するから、「録画中」などの表示をしておくことで、いたずらされたり、破壊されたりするケースを防止できる、などの効果を狙ったもののようです。

 

2.2.商標6090174:[iii]

称呼:オリケイ,オリケー,セツケー

商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務:

9 発光式又は機械式の道路標識,発光式又は機械式の誘導標識,電子看板
20 木製又はプラスチック製の立て看板
45 施設の警備,身辺の警備

 

2.3.登録意匠1704562:[iv]

意匠に係る物品の説明:

本意匠に係る物品は、警備現場に存在する壁、仮囲い、看板等に取り付けて使用する警備用案内装置であって、通行人に対する案内文等を表示するディスプレイと、通行人に対する案内音声等を出力するスピーカーと、通行人の接近を検知する人感センサと、設置箇所周辺を撮影するカメラを設けている。

3.おわりに:

いかがでしたか?

技術力、デザイン力、ブランド力を駆使してそれぞれを組み合わせて事業活動を行い企業価値向上を狙った知財ミックスの一例をご紹介しました。

自社の知的資産を多面的に保護する知財ミックス戦略。

日常のふとした風景をヒントに自社の知財戦略を検討してみるきっかけになれば幸いです。

本日もご覧いただきありがとうございました。

 

街中で見つけた知財戦略(1)

【参考文献】
[i] 乾智彦「知財ミックス戦略及び知財権ミックス戦略の本質的効果」,パテント2016 Vol.69 No.6

[ii] https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-6446584/313A1F72ED13D380FED149AE9AEDC6B62547A046CBE3182099249595CB221DA0/15/ja

[iii] https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/TR/JP-2017-149688/611F1E03B1E52C7D863A73C6E5C26B6A0C27C7CCDBB2BAB83160978F07EFC949/40/ja

[iv] https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/DE/JP-2021-014851/FF99933543C8500E03C43C16A10FDDCEBF59225E1F9764A5DB3DECDEAD68A4A6/30/ja

 

 

タイトルとURLをコピーしました