内容
1.はじめに:
2.特許表示について:
2.1 「特許に係る物」とは:
2.2 「特許表示」とは:
2.3 特許表示をしないとどうなる?:
3.おわりに:
1.はじめに:
年初に都内の神社行った際、写真の看板?(※)に出会いました。
看板の右上に付されているQRコードなどから調べて見ると、テイケイ株式会社の「折警」(折りたたみ警備員)という商品でした[i]。
この看板の右下には「特許取得」の文字が付されています。
今回は、特許表示についてご紹介したいと思います。
※看板の左下に付さていている「NETIS」とは、新技術情報提供システム(NETIS:New Technology Information System)の略称。国土交通省が新技術の活用のため、新技術に関わる情報の共有及び提供を目的として整備したデータベースシステムのこと[ii]。
2.特許表示について:
特許法では、特許に係る物、またはその包装に特許表示を附するように努めなければならない、としています(特許法187条)[iii]。
権利侵害を未然に防ぐことを意図した規定です。
2.1 「特許に係る物」とは:
物の発明の場合は、その「物」、物を生産する方法の発明の場合は、その方法により生産した物のことです。
2.2 「特許表示」とは:
その物が特許権の対象であることを明示することです。
物の発明の場合は、「特許」の文字およびその特許番号、物を生産する方法の発明の場合は、「方法特許」の文字およびその特許番号です[iv]。
2.3 特許表示をしないとどうなる?:
この規定(特許法187条)は、訓示規定のため、違反しても罰則等の制限はありません。
但し、以下の2点は注意が必要です。
(i)特許権を取得していない製品に特許を取得したかのような表示をすると、3年以下の懲役または300万円以下の罰金になる場合があります(特許法198条)。
(ii)米国では、特許表示をしていないと、特許権者は、侵害訴訟によって損害賠償を受けることができない旨が規定されています(米国特許法287条)[v]。
3.おわりに:
特許表示は侵害の未然防止に繋がると共に、表示の仕方によっては宣伝広告的な効果もありそうです。
みなさんの周囲を見渡すと、普段あまり意識していなかった物に特許表示がされていることに気づくかもしれませんね。
次回は、この看板に付されていた特許番号を起点にした情報をお送りする予定です。
今回もご覧いただきありがとうございました。
【参考文献】
[i]折警(折りたたみ警備員)紹介動画 https://www.youtube.com/watch?v=qv–jEW138Q&t=5s
テイケイ株式会社ホームページ https://www.teikeigroup.co.jp/service/8/
[ii] NETIS
[iii] 特許法187条
[iv]特許法施行規則68条
[v] 米国特許法287条
https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/usa-tokkyo.pdf